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なんか音楽アルバムの感想でも


Really

Really / Fifth Avenue Band (90年/Pony Canion)

あの伝説の1stから20年近くの時を経て暫定的に復活した際のFABのアルバム。実際は日本のレコード会社側が企画したアルバムのようで、各々作曲し、外部ミュージシャンと録った曲を持ち込む体裁を取っている。クレジットにはAll Vocal by FABとなっているので、多分コーラス等はメンバーが担当しているのだろう。(ピーター・ゴールウェイのライナーノーツによれば、このアルバムを出す前の、日本でのソロツアーが大いに刺激になったという)。しかし音はデジタルシンセと打ち込みのリズムボックス、あの80年代特有のバカでかいドラム音、コーラスがかかりまくったギターサウンドなどが多く取り入れられた正に都会的AORサウンドで、1stのアコースティックで洒落たソフトロックの世界やオハイオ・ノックスの音からかなり逸脱した世界でかなり驚いた。だが、聞き込んでみて、なんというかやっぱFABのアルバムだなあと思えるのはそういった90年当時流行の音に合わせながらも、どこか明るく洒脱というか、出てくる音が時には、ボサノバであったり、ジャジーなギターフレーズであったり、60年代のソフトロック的なコーラスワークを忘れていなかったりするところが実に良い。私的に90年代以降のシティポップ、いわゆる都会的サウンドとして、好みのアルバムを一枚挙げるならば、スティーリー・ダンの再始動アルバム「Two Against Nature」よりはこちらを挙げたい。

 

POV

POV / Utopia (85年/Passport)

ラストアルバム。ベアズヴィル・レコードを離れ、前作同様パスポートレーベルからのリリースだが、余りにもマイナーなレコードレーベルの為に宣伝も上手く行かなかった上にチャートでも振るわず、このセッションに於いて、ドラムマシンを作品に導入したいウィリー・ウィルコックス(Dr)に対し、トッド・ラングレンが激しく反発していたなど、メンバー間の確執が表面化しており、このアルバムを最後にバンドは解散してしまった(九二年に一時的に再結成)。そんな複雑な背景をよそにすれば、本作はカシム・サルトン(B)が「あの作品は供給が需要を上回ってしまっていた」というぐらいに、トッドやユートピアの作品の中でも五指に入る超絶ポップアルバムである。ニューウェーヴを感じさせながらも、ユートピアお得意のコーラスワークが冴える疾走ナンバーZen Machineや、ウィリー・ウィルコックス作で、ウィリーとしては本当はトッドがこういった曲を作って歌って欲しかったという、トッド風バラードMated。カシム作の軽快なパワーポップ、Wild Life。ロジャー・パウエルのシンセサイザーがEL&Powellやエイジアとの親和性を感じさせるMore Light等、演奏の上手さも含めてどれも珠玉の出来。 2011年のEsoteric Reccordからの再発版では86年のコンピレーションアルバム「Trivia」等から三曲追加。こちらの方はトッドの路線が後のアルバム「2nd Wind」に続いていく事を感じさせるFix Your Gazeが良い。ちなみにジャケットの外枠を囲っているのはマッキントッシュのウィンドウである。

 

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Time Out / The Dave Brubeck Quartet (59年/Columbia)

歴史的名盤。今更ながら初めて聞いた。編成はピアノ、ベース、ドラム、アルトサックスという極めてアコースティックかつシンプルな編成ながら、飽きが来ない。1曲目の「Blue Rondo a la Turk」はプログレファンであればThe Nice、EL&Pで聴いたこともある人がいるだろう。 スタンダード「Take 5」でも変拍子を取り入れているが、アルトサックスのソロが終わり、ドラムソロに入るまでの間、ピアノが延々と5分の4拍子を弾き、ベース、ドラムもそれに合わせて淡々と進行していく部分に、間の作り方の上手さを感じる。モダン期におけるジャズカルテットの雛形だろう。

 

鉄道唱歌 ベスト

鉄道唱歌 ベスト/ Various Artists (09年/キングレコード)

愛すべき明治のポップソング、なんだろうな。 結局、自分はプログレだジャズだ、ハードロックだのといっても結局こういった物に回帰していくのだ(笑)。日本人である自分の戻るべき原点は多分ここにある。普遍的で親しみやすいメロディと明るいオルガンにアコーディオンのオブリガート。それに歌詞。この歌詞が実に良いんだ。「東海道編」は新橋から始まるが、冒頭の「汽笛一声新橋を…」から、いつもなんて美しい日本語なのだろうと感心する。鎌倉入った辺りから実に感動するね。ご当地ソングとしても一級品だろう。

 

teaser

Teaser Deluxe / Tommy Bolin (11年/Samson Records)

不遇の夭折ギタリストの75年の1stが二曲追加し新規リニューアル。やれやれようやくリマスターされたかと思ったが、どうも一曲目の「The Glind」の出だしのドラムパターンが違ったりして、所々テイク違いのトラックを使っているようで、リマスター版というよりはリミックスアルバムに近いかも。かといって、音圧はソニーから出ていた旧版の物とは比較にならないほど良い(というかアレは商品としてどうよっていうか、ドンシャリ感がもの凄いし)し、演奏も申し分ない。故・ジェフ・ポーカロによるとこのアルバムのセッションは非常に面白いものであったらしいが、ロックだけにとどまらず、ジャズやジャズロック、フュージョン、レゲエ、ボサノバまで幅広く取り入れた未曾有のギタリストのごった煮感がもの凄い名盤である。なお、後半の「Wild Dog」や「Lotus」の後半は十分超えのジャムセッションと化しているところが賛否が分れるところではあるが、オリジナルとは別物と割り切ればいいだろう。

 

cured

Cured / Steve Hackett (81年/Charisma)

通算五枚目。ジャケットもそうだが、ハケット先生にしては腰抜かす程ポップな作風で笑う。なんでもこの頃、つい最近までジャケを描いてたキム・プーアを嫁さんに貰ったらしい(近年離婚)。ニック・マグナスのキャッチーながらチープさを感じるシンセ。そして全トラックをドラマーを使わずリンドラムで構築したトラック群が実にニュー・ウェイヴ。この流行の取り入れ方がフィル・コリンズや本家ジェネシスとは違った解釈だが先生も時代に乗っていたという証明のようなアルバムだ。しかしながら、 ギターワークは手抜きなくキッチリとしていて、いつもの摩訶不思議かつダークなサウンドとはまた違った面白さがある。ボートラではお約束のクラシックギターの小品も。この作品を踏み台にし、人間リズムマシンのようなバカテクドラムのイアン・モズレーを迎え、プログレとフュージョン、ニュー・ウェイヴを取り入れて新しい境地を開いた次作の「Highly Strung」も傑作だと思うのだが、これも不思議な魅力のある作品。

Dane Donohue

Dane Donohue / Dane Donohue (78年/Sony)

オハイオ産のシンガーソングライターの残した最初で最後のアルバムらしい。一曲目の「Casablanca」や「Woman」のイントロに「Pretzel Logic」前後のスティーリー・ダンやスタッフのサウンドを匂わせる作風だけど(故・ヴィクター・フェルドマン居るし)、キャロル・キングあたりの影響もどことなく感じるのだな。この時代のAORのミュージシャンは基本一発屋というか、作品を一枚だけ残してフェイドアウトするパターンがかなり多いが、どれもアルバム自体にはハズレがないと云うか、三〇年後の現在でも鑑賞に堪えられる高いレベルなのが実に良い。ギターはこの手のアルバムではおなじみ、ジェイ・グレイドン&スティーヴ・ルカサーだが、あのフレーズと音がいつもより控えめな気がするのは気のせいだろうか。

 

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